太って見えないのに肥満状態、しかも筋肉量が減っているというのがサルコペニア肥満です。糖質制限と筋肉量の問題と絡めて解説します。
先日、テストステロン氏の筋トレ啓発本を読んでからというもの、気持ちが糖質制限から筋トレに傾いており、頑張って1日タンパク質100gを維持しつつ筋トレをしています。

最近は糖質量を気にするよりもタンパク質量を維持する事ばかり計算していますが、本当に100gを維持するのは大変です。
僕の中では糖質制限よりよっぽどつらいです。
普通に食事をするだけでは100gなんて絶対に到達しないからです。
もっとも、筋トレは糖質制限とは違って結果が出るまでに時間が必要なので気長にやりますが、色々と調べていく中で矛盾を見つけたんです。
それは炭水化物(糖質)の扱いです。
糖質を抜くと筋肉が減るのか?
筋肉量を増やして大きくすることをバルクアップといいますが、筋トレ系の本には必ず炭水化物(=糖質)が必要だと書いてあるのです。
むしろ炭水化物を抜くと筋肉が縮むとすら書いてあります。
しかし、これまで紹介してきた医師による糖質制限本や体験談ではむしろ筋肉量が増えたという記載があるのです。
この記載は明らかに矛盾しています。
いったいどちらを信じればいいのか?
そこでこの矛盾についてよく読み比べた上で調べたところ、分かったことがあります。
それは何を基準として筋肉が増えたとか減ったとか言っているのか、という事です。
ムキムキのボディビルダーのような人達からしてみれば、必要以上に筋肉を大きくする目的の上では1日ごはん1膳位は炭水化物が必要なのです。
もちろん、タンパク質は1日100gどころではなく、もっと大量に摂取しています。
しかし、糖質制限を始めるような一般人の視点からしてみると、糖質制限によって普段よりも多くのタンパク質を取るようになります。
そのせいで炭水化物を抜いた状態でも筋肉が増えるのだと思います。
なにしろ普通の人は1日30~40g程度しかタンパク質を取っていないはずです。
普通の人の摂取するタンパク質の量
例えば、朝に卵焼き、トースト、コーヒー、昼にラーメン、夜に定食を食べた場合で計算してみましょう。
朝は卵1個で6g、昼間はチャーシュー2枚程度。大きめに見積もって1枚10gとしてもタンパク質は4g程度です。
夕飯の定食は何を食べるかにもよりますが、平均的なハンバーグ1個(120g)を食べたとしてタンパク質は16g。
なんと1日に摂取するタンパク質料は合計で26gしかありません。
他にも摂取しているでしょうからもっと増えますが、それでも30~35g程度でしょう。
一般的に体重×0.8が運動をしない人が体を維持する為に必要なタンパク質の量だと言われています。
体重60kgの場合は体を維持する為だけでも、本来なら48gはタンパク質が必要となるのです。
しかも毎日肉を食べると体に悪いという意見も多いですから、もっと摂取量がすくない日もあるはずです。
こういった状態で糖質制限を行って、炭水化物(糖質)を抜いた代わりにタンパク質を意識して摂取するようになれば、摂取するタンパク質の量は格段に増えます。
だから糖質制限で筋肉が付いたという体験談があるのだと思います。
糖質を抜けば筋肉が付くのではなく、摂取するタンパク質の量が筋肉量増大の原因なのです。
ボディメイキング系の本と糖質制限の本の間にある基準点の違いが分からなくて、いったいどちらが間違っているのかと迷いましたが、この結論に至ってからは悩むことなくプロテインを摂っています(笑)
さて、ここで筋肉量を増やし脂肪を減らす事を特におすすめしたい症状があります。
それがサルコペニア肥満です。
サルコペニア肥満の症状
サルコペニア肥満のサルコペニア(sarcopenia)とはギリシア語に由来する造語です。
sarcoは肉や筋肉、peniaは減少を意味します。
つまり読んで字のごとく、筋肉が減少する肥満という事です。
しかもパッと見て、明らかに肥満と分からないケースが多くいのでメタボと似ていますが、メタボには筋肉量の減少は起きないので、サルコペニア肥満とは本質的に異なります。
どうしてサルコペニア肥満になると困るかというと、筋肉量の減少によって寝たきりになったり、肥満によって糖尿病や高血圧などの病気にかかるリスクが増大するからです。
筋肉量の減少は冷え性の原因にもなりますし、ストレス耐性も落ちます。
筋肉量が減って太るというのは、日々の生活を送るうえで絶対に避けるべき事態なのです。
原因について
サルコペニア肥満の主な原因は加齢による筋肉量の減少です。
そして筋肉が減った分、基礎代謝が落ちたり、運動不足によって脂肪が増えていきます。
ただし、筋肉量の減少の原因が加齢なのか運動不足なのか、他の原因によるものなのかによって細分化されて呼び方が異なるようです。
現段階でサルコペニアの明確な定義はなく、それぞれの定義により別立てで新たな用語が使われることがある。
サルコペニアを「加齢による」筋力低下・筋肉量低下とした場合、それ以外の要因の筋力低下・筋肉量低下をミオペニアと呼ぶことがある。
また、加齢による「筋肉量減少」をサルコペニア、加齢による「筋力低下」をダイナペニアと定義する論文もある。ミオペニア、ダイナペニアともに各々においても定義が異なることがある。
これらについては専門家でもない限りは厳密に使い分ける必要はないでしょう。
また、筋肉が痩せた分脂肪がつくので、外見が大きく変化しないので太ったように見えません。
その為、問題が発覚するのが遅れる特徴があります。
加齢が原因という事でサルコペニア肥満は60歳以上にみられる症候群だと言われていましたが、今では40代でも2割はサルコペニア肥満の人がいるそうです。
この調子なら、今後はますます増加していく傾向にあるでしょう。
予防と対策
サルコペニア肥満を予防するのはまさに、糖質制限と適度な筋トレだと言えます。
むしろ、普通以上の筋肉量を増やす必要が無いのですから、糖質制限をすればよいでしょう。
自然とタンパク質の摂取量は増えて、炭水化物(糖質)は減らせます。
後は適度な運動程度で良いでしょう。
実際、糖質制限だけでトレーニングはほぼ0でも痩せて筋肉が付いたという例がありますし、テストステロン氏の本でもトレーニングよりも食事の方が重要だと断言しています。
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筋力が低下して、なんとなく太ってきたような気がしたら、サルコペニア肥満を疑って、ライトな糖質制限からやってみましょう。
何事も極端から極端に振れると良くないので、少しづつ続けられる事が大事なのです。