モリタクの低糖質ダイエットの感想とおすすめポイント

モリタク 糖質制限

書店で平積みにされていたので取りあえずチェックしましたが、思った以上に面白かったので紹介します。

経済評論家としてテレビやラジオに出演するだけでなく、ライザップの広告塔的な役割まで果たすようになった森永卓郎ことモリタク氏のダイエットの記録本です。

いったいどういう経緯で糖質制限ダイエットを始めたのか、ダイエット以前はどんな生活をしていて、どんな体調だったのか。

流石はベストセラー作家だけあって明快でわかりやすく、しかも面白く読ませてくれます。

なお、タイトルで低糖質ダイエットとうたっていますが、モリタク氏が行ったダイエットは1日の糖質量を5gにまで減らすという断糖に近いレベルの糖質制限です。

タイトルに偽りありですね。

低糖質とかロカボとか、様々なネーミングがされていますが、日本における草分けである医師が「糖質制限」と言い切っているのですから統一してほしいところです。

もしかしたら商標関係が面倒なのかもしれませんけれども。

さて、ざっと内容を解説します。

モリタク氏の体調について

まず、ダイエット前はいったいどんな状態だったのか、という事が紹介されますが、コレは無茶苦茶トンデモナイ健康状態です。

  • 1日5食で摂取カロリーは5000キロカロリー以上
  • 毎日5リットルは炭酸飲料を飲む
  • 167cmで体重90キロオーバー
  • BMIは32、アメリカの基準でも肥満認定
  • 慢性的な睡眠不足
  • 糖尿病でHbA1Cは11.4(高血糖判定は6.5から)
  • リスキミア、アマリール、メディットを服用
  • 慢性的なのどの渇き
  • 30分も我慢できない頻尿
  • 足の感染症
  • 眼底出血(糖尿病性網膜障害)
  • 睡眠時無呼吸症候群(短時間の心臓停止)
  • 尿路結石でのたうち回る

もはや糖尿病の見本みたいな健康状態です。

それでもモリタク氏が死なずにテレビに出たり、大学で教鞭をとってこれたのは、遺伝的なもので、どれだけ食べても血液中の中性脂肪とコレステロールの値が上がらないという100人に1人の特異体質のおかげです。

普通だったら足の毛細血管が詰まって壊死&切断、失明ですよ(汗)

なお、本書ではモリタク氏の体験談や解説に加えて、医師が健康状態の解説をしていますが、糖質制限をしなかったら早晩死んでいてもおかしくない状態だったようです。

ほんとに痩せれてよかったねって言う感じです。

どうして糖質制限を始めたのか

これが本当に笑っちゃうような理由なんです。

2015年の10月にTBSのオールスター感謝祭に出演した際にライザップに挑戦して目標体重まで痩せられたら500万円もらえるという企画に立候補したからです。

本書では「お金に目がくらんだ」と正直に書かれています。

客観的に見たらヤバい状態だけれども、本人のモチベーションは健康ではなくてお金。

そのせいできっちり糖質制限出来て痩せられて、健康になったという訳です。

しかし、モリタク氏は糖質制限の事を知らなかったわけではありません。

主治医と栄養士から糖質を減らすよう、再三のアドバイスをもらっていたのです。

にも関わらず、500万円の為なら頑張れる。

本人も多少反省してか、「本当にスイマセン」と書いています(笑)

糖質制限の進行状態に伴う肉体的な変化については他の糖質制限本と全く同じ、再現性が高い健康法である証拠です。

このように本書は糖質制限について全く予備知識が無い人が読んでもスラスラ読めて、しかもケトン体など大事な点はきっちりカバーしています。

文章が上手い人が書くとこんなに面白く書けるのか、と驚きでした。

また、これまで紹介してきた解説本は全て医師の手によるものでデータやワラントを揃えた精度の高い情報が記載されていた点と比べると、かなりのライト路線です。

おそらく、今までに山ほど出てきては消えていったダイエット法の一つだと誤解されたくなかったり、信じてもらえない事が多かったせいだと思います。

しかし、ライザップの成功で糖質制限はメジャーになりました。

むしろ定食のライスを残すとか、すし屋でシャリを残すなんてニュースが流れるほどに浸透してきたので、本書のようにライトに扱えるるテーマになったのだと思います。

本書は糖質制限の決定版ではありませんが、入門用としては非常に良い本だと思います。

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本書のおすすめポイント

糖質セイゲニストにとっては非常に役に立つのが、モリタク氏が何を食べていたのかメニューが載っている事です。

単にメニューの羅列になっているのではなく、写真付きです。

しかもコンビニなどで手に入りそうなものや鍋料理などで構成されています。

ミートボールと豆腐とサラダで一食、といった具合にやたら手の込んだ料理はありません。

何を食べるか迷うとか、お決まりの料理に飽きてきたという人にとっては絶対に役に立つでしょう。

糖質制限の食事メニュー本としても価値がある1冊だと思います。

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