現代は飽食の時代で、現代人は食べ過ぎだと言われていますが、本当でしょうか?食べ過ぎだとすれば、いったい何を食べ過ぎているのでしょうか?
飽食の時代とか、食品廃棄量が社会問題となっている事は良く知られています。
僕が子供の頃から言われていましたし、今でも取り上げられるテーマです。
おそらく20年以上は言われ続けているし、同時にセットで語られる「アフリカの飢えた子供」も20年以上語られています。
しかし最近ではアフリカ問題自体がボランティア団体を代表とする誰かのメシの種になっているのではないか、という事自体が話題になる位で、常識を疑ってかかる人も増えていると思います。
歴史問題やイルカ・捕鯨問題と一緒ですね。
まあ、この辺りは糖質制限と一緒でリアルでは話す相手を見極めないと差別主義者とか言われかねない話題ですけれども。
このように僕自身もかなり常識は疑ってかかるタイプですから、食べ過ぎ問題について調べてみました。
食べ過ぎとはカロリーなのか?
ことの発端は前回記事にしたニコ生の対談です。
「糖質制限の真実」の著者である山田悟先生が日本人の摂取カロリー量は減少傾向にある、と発言していたのです。

確かに著作中でもチラっと触れられていましたが、他にも重要な点が多かったので目に留まっていなかったのです。
そこで下記のように発言の裏を取ってみました。
実際に厚生省の国民栄養調査で推移を調べてみたところ、確かに摂取カロリーは減っていました。

これで食べ過ぎというのはカロリーの事ではないと証明できます。
食べ物=カロリーだと考えるのなら、年々食べなくなっているのが本当なのです。
何しろ1975年よりも摂取カロリーが減っています。
40年前よりも食べてないってヤバいですよね?
だから現代人は食べ過ぎ、というのは嘘です。
騙されないようにしましょう。
肥満は増えているのか?
食べ過ぎていないのなら、肥満は減っているはずです。
同じく厚生省の資料をあたってみたところ、下記の通りでした。
肥満者の割合の年次推移では、男女ともに20歳~29歳の年齢区分のみ肥満が2003年に比べて増加。
女性だけは30~39歳の世代でも肥満が増えています。
ただし、それ以外の世代では減少しています。
つまり、若い世代以外は痩せているという事です。
これが何を意味しているのか食物の摂取量など他のデータと突き合せれば解明できると思いますが、流石にこの分量だとパス(汗)

つまり、日本人は総じて食べる量が減っていますが、若い世代だけ肥満が増えている。
むしろ摂取カロリーが多かった世代の方が痩せているというのは年を取ったせいだ、と思う人が居るかもしれませんが違います。
この表は世代別ですから、違う年代の同じ世代で比べているのです。
また、運動量の問題だという人がいるかもしれませんが、今の高齢者は昔よりも良く運動しているから肥満が減っているのでしょうか?
多分違うでしょう。若い世代に関しては当てはまると思いますけれども。
ん、なんだか書いていて違和感が。
あれれ~・・・おかしいな?
摂取カロリー量は減っているのに肥満が増えているぞ。
摂取カロリーと肥満には何の関係もない!
つまり、統計データから見る限りにおいてカロリーの過多とデブには関係が無いという事です。
何しろ食べなくなっているのに若い世代ほど太っているというのですから悲惨です。
この原因は何でしょうか?
運動量の問題もあるでしょう。
しかしそれだけではありません。
日本人の若い世代全体が統計に表れるほど運動不足になっているとは考えづらいです。
仕事はデスクワークだけじゃないんです。
調べたらすんごく嫌な結果が出てきましたよ。
同じく厚生省の資料です。
穀類摂取量は、世帯の所得が 600 万円以上の世帯員に比較して、男性では 200 万円未満と200~600 万円未満の世帯員で有意に多く、女性では 200 万円未満の世帯員で有意に多かった。
また、野菜類及び肉類摂取量は、男女とも世帯の所得が 600 万円以上の世帯員に比較して、200 万円未満と 200~600 万円未満の世帯員で有意に少なかった
年収が低い人は穀物を多く摂取し、肉や野菜の量が少ない。
つまり超・長期化しているデフレのせいで生活が苦しいから肉や野菜の摂取量が少ない世代は太る!
男女ともに年収が低い世代は肥満者の割合が高い。
貧乏すると太る、というのはかなり信頼性の高い俗説ですが、統計的にも明らかなのです。
おそらく女性の方が男性より上の世代まで太っているのは経済的ダメージを大きく被っているせいでしょう。
地獄か!
食べ過ぎと高カロリーと断糖について
まとめに入ります。
まず、第一に日本人は食べ過ぎていない。
次にカロリー的にも摂取量は減少している。
ただし、肥満は増えつつある。
年収が低い世帯に肥満が多い。
これらが厚生省のデータから明らかになったことです。
これらに追加して、年収が低い世帯では穀物摂取量が多く、肉や野菜の摂取量が少ない。
こういった結果から言える事は、穀物の摂取量を減らして肉や野菜の摂取量を増やさないと肥満は減らないという事です。
とは言うものの、年収は減少しているので簡単ではありません。
国税庁 民間給与実態統計調査結果
糖質制限をすると食費が増えるのはほとんど確かな事ですから、結局は経済問題なのです。
おそらくこのまま経済がマズいままだと今の30代から下の世代が年を取ったときに病気にかかる確率が爆発的に増えるでしょう。
世代間のボリュームはともかく、割合が増加することは間違いないと思います。
自民党の竹中平蔵さんが言うように国は助けるつもりがないとの事ですから、結局は病気になったりしないように自衛するしかないんです。
実際、うつ病になった時にも国は何もしてくれませんでしたから、僕の感覚では年金や福祉などの社会保険制度についても全く信頼できないと思います。
だから常識を信じて疑わないと、知らないうちに搾取されている可能性が高いです。
ゆとり問題に代表される若者叩きはその代表ではないでしょうか?
あー、ホントにツライご時世。