本日はNHKの「ためしてガッテン」で糖質制限が肯定的に取り上げられていました。しかし、実は2009年にも糖質制限を取り上げていた時は否定的な内容でした。いったい何が違ったのでしょうか?
いきなり結論から言ってしまうと、糖質セイゲニスト大勝利です。
今回の番組、2016年7月6日に放送の「ためしてガッテン」「追跡!糖質制限ダイエットの落とし穴」の回では、糖質制限を肯定的に取り上げつつも、やり過ぎると健康を害するよ、という内容で放送されたのです。
何故これが大勝利なのかというと、それには2009年に放送された糖質制限の回を参照する必要があります。
同番組が2009年1月29日に放送した回では糖質制限に完全に否定的な立場を貫いていたからです。
下記書籍の著者である江部博士のブログには当時の放送について記録があります。
人類最強の「糖質制限」論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる (SB新書)
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簡単に言うと女子大生が同じカロリー制限をしたのに、成功と失敗に分かれた。失敗の原因は糖質が不足したこと。その理由は脳にブドウ糖が不足し、脳がエネルギー不足と勘違いして脳に飢餓スイッチが入り、脂肪に変えて体内に取り込む指令を出すということでした。解決策は例の6:2:2のバランスのよい食事をカロリー制限をして摂る。極端なダイエットは避けること。その時あるタレントの「炭水化物を抜くのは?」の質問に「ダメ!ダメ!」とどこかの大学の女性講師が叫んでいました。
当時の私はまだうつ病にもかかっておらず、糖質制限についても知らなかったのですが、今ならこの理論が間違っていることが良く分かります。
いわゆる「バランスの良い食事派」の意見が主流を占めていて、世間からは全く糖質制限についての理解が得られていなかったのです。
それが7年経ってようやく、NHKの高視聴率番組で条件付きとは言え、肯定されるようになったのですから昔からの糖質制限の草分けの医師たちは感動ものでしょう。
いや、ほんとにすごい。
糖質制限を推奨している意志の著作を読むと、もう大変です。
アガリクスとか奇跡のフルーツ、水素水みたいな胡散臭い(失礼!)健康ビジネスといった扱いを受けていて、学会での発表を妨害されたり大変な目に合っています。
そういった先人の苦労が少しずつ報われていると感じますね。これで少しは世間の目も変わってくるでしょう。
個人的には外食産業で糖質制限メニューや定食のご飯を豆腐やブロッコリーに変えるオプションが始まれば最高です。
誰もがハードな糖質制限をするべきか?
さて、ここからはいち糖質制限者としての意見です。
糖質制限については糖尿病患者や妊娠糖尿病の人は別として、太ってきた人が自分に耐えられるペースで行えばいいと思います。
以前も記事にしましたが、最も効率的に糖質制限をするのなら、初めはハードな糖質制限を行い、徐々に軽くしていった方が効果が上がります。
しかし、ちょっとでも体調に異常を感じたり、ご飯を食べたくなりすぎるあまりに糖質制限自体をバッシングする人が多すぎます。
特に2chまとめ系の糖質制限スレッドなどはどれもこれも「エア糖質制限者」の書き込みばかりで嘘だらけです。
まあ、なんでもかんでも貶して溜飲を下げてスッキリしたい人たちしか書き込んでいないので、当然と言えば当然ですけれども、そういった情報にはかなり強い洗脳力があります。
だから糖質制限を始めたばかりの頃に体調の変化があった場合に問題になるのです。2chまとめ的なネガティブ記事を読むことで体調変化を病気にでもなった位に受け取る人が増えてしまいます。
その結果、やっぱり糖質制限はダメだったという判断を下されるくらいなら、効果は薄くても今回の放送で紹介されたようなマイルドな糖質制限を実践してくれた方が偏見が育たないと感じます。
糖質制限ダイエットの最大手であるライザップ批判も8割位はやっかみでしょうし、何でもいいから貶したい人が多すぎです。
ただし、ネットに書き込みをする人は閲覧者の0.7%しかいないというデータもあるようですし、かなり特殊な人たちですから一般的な感覚とはかけ離れていると考えるのが自然でしょう。
ともあれ、糖質制限についてはかなり肯定的な空気が出来てきた、と考えてよいのではないでしょうか?
糖質制限原理主義者になっては元も子もないですから、少しずつでもこの健康法が広がると良いと思います。
ラジオ体操とまではいかなくても、乾布摩擦くらいメジャーになればかなり病気は減ると思うんだけどなぁ。
コメント
糖質制限教の信奉者には申し訳ないですが、危険と隣り合わせですね。
運動もせず、仕事もせず、食事のみで痩せようと思うのなら、炭水化物・糖質を摂取しないでも良いかもしれません。
何故なら、(1)脂肪だけでは燃焼しない、(2)脂肪は脳のエネルギー源にはならないからです。
(1)「脂肪だけでは燃焼しない」ということを解説すると、エアロビクス・ウォーキング・ジョギングといった有酸素運動をする場合、脂肪によって作り出されるエネルギーは40%~60%であり、100%にはなりません。
その他は、肝臓に蓄えたグリコーゲンや、食物から摂取した糖で賄われます。
つまり、脂肪燃焼のためには、糖が必要なのです。
登山家やマラソンランナーは、糖質不足になるとハンガーノック(低血糖症)になり、運動を続けられなくなります。
昔、マッスル北村というボディビルダーがいましたが、極端な糖質制限をしたため、亡くなりました。
(2)「脂肪は脳のエネルギー源にはならない」ので、糖質を全く摂取しないと、仕事の効率が低下します。
脳はブドウ糖しかエネルギーとして使えません。
少しご存知の方なら、タンパク質から糖は作り出せるというかもしれません。
その通り、タンパク質は肝臓で分解されて糖に変わり、体内に不足した糖を補います。
そのタンパク質は、一体どこから来るのでしょう。
そう、筋肉です。
糖を作り出すため、筋肉を分解することになります。
すると、結果として代謝が悪くなります。
もし、有酸素運動をして健康的に痩せようと思うなら、食事はバランスが大事です。
コメントありがとうございます。
しかし、脂肪は脳のエネルギー源にならない、というのは一体どのような根拠に基づいているのでしょうか?
僕が記事を書くときは「かならず」どこの誰がどのような論に基づいて主張している、と記載しています。
参考書籍を載せるのはもちろんですし、主張と根拠となるデータ、データの信頼性は3点セットで必ず載せています。
脳はブドウとしかエネルギーとして使えない、というのは明らかに間違いで脂肪からケトン体を作り出す事が出来ます。
糖質制限では脂肪を取る事はむしろ推奨されています。
マッスル北村氏が亡くなったのは極端な糖質制限をしながら、筋肉のカットを出すために脂肪分まで抜いたせいではないでしょうか?
また、バランスの良い食事とは何でしょうか?
おそらくは、厚生省と農水省が公表している食事バランスガイドに準ずると思われますが、
これは日本人がどんな食事をとっているかまとめて平均を出しだだけで、根拠は多数決です。
根拠ともども、下記の記事に色々と書いていますので、良ければご覧ください。
https://00muscle00.com/2016/06/05/utu-keton-kome/