うつの原因はケトン体なのか?食の欧米化とご飯の摂取量について

ご飯とケトン体

ブログ運営して約半年、ついに初コメントを頂きました。そこに書かれていた驚愕の内容とは?うつ病や糖質制限、バランスとのとれた食事という固定観念について改めて考えてみます。

この記事を書くきっかけとなったのはこの方。

記事コメント

食の欧米化=うつ病
欧米化が始まる前はうつ病が少なかった
糖質制限=ケトン体の増加=うつ病になる
ご飯は(1日の)エネルギーの6割

これらがコメントをくださった「経験者」様の主張です。

正直、うつ病になった時も糖質制限を始めた時も、こういった「アドバイス」をもらったことは何度もあって、その度に様々な書籍を見せては説得してきました。

まず、無邪気に糖質制限をしていることやうつ病の事について話せば無責任なアドバイスや先入観を押し付けられますし、後からそれらを払しょくするのは大変です。

誤解する方は一切努力なく、労力なく、お手軽に好きなことをポンポン言えるのですから、コミュニケーションコストが非対称なのです。

だから、親しい人にだけ本当のことを話し、誤解されないよう分かってもらうのです。おそらく糖質セイゲニストも同じ姿勢で世間と付き合っているはずです。普通は誰に言ってもご飯を食べなければ病気になるとか変人扱いしますから、話してすぐ納得してくれる人はまずいません。

そういう事に疲れてきたので、こうしてブログを書いては草の根活動をしているのが、僕です。

だから「経験者」様の主張はリアルで面と向かって何度も聞いていて、もう耳タコなのです。

糖質制限とうつ病と食事の固定観念

まず、僕のブログでは糖質制限、うつ病、食事や筋トレについて扱っていますが、何か主張をする時は必ず根拠となる参考文献を文中に紹介しています。その内容を僕なりに体験でかみ砕いてトッピングしたものが記事となります。

決して、思い込みで書いているのではありません。

議論の前提条件

そして、議論をするには3つの条件を満たしていなければいけません。

それは、クレームデータワラントです。

クレームとは主張のこと。議論では意見ですね。ここでは文句をつけるという意味はありません。

そしてデータ。データは根拠となる資料のことです。例えば糖尿病に糖質制限が有効だと主張するなら、その根拠はこの書籍です、とかこの医師の臨床例です、ということになります。

最後のワラントは聞きなれないと思いますが、これはデータの信頼度のことです。データはあります、ただし実験例は1件ですとか、動物実験だけです、となると根拠はあっても信頼度は低いということになり、主張の正しさは危うくなります。

クレーム、データ、ワラントの3つを抑えた情報でないと意味はないのです。

そして、議論の勝ち負けは第三者がジャッジします。口論が禍根だけを残して何も結果を残さないのはジャッジする第三者が不在でお互いに権力争いを起こしているからです。

そして、このようなブログの主張の場合、ジャッジするのは読者ということになります。僕とコメントをくれた「経験者」様のどちらが正しいかは呼んでくれたあなたの判断次第です。

うつ病と食の欧米化

この3点プラスアルファを踏まえた上で「経験者」様のコメントを拝見すると、すべてにおいてクレームだけで成り立っていることが分かると思います。

根拠を示していませんし、そのデータもなく、データがないので信頼度も判断できません。

得てして、分かりやすい意見(クレーム)にはデータやワラントがないことが多いのです。そして声だけ大きく主張して多数を占めれば、データやワラントが無くても通ってしまいます。こういうのは学校でも職場でもよくあることです。

だから、本来は根拠がない、の一言で済むはずなのですが、取り合わないと逃げたと言われて卑怯者呼ばわりされるリスクがあります。

そこで一つずつ主張について反論を加えてい行きたいと思います。まず1行目。

うつ病患者の殆どが、糖質制限をやっている人が多いのを知っていますか?

まず、データがありませんし、うつ病患者の殆どが糖質制限をやっているという情報は知っていて当たり前という空気を醸成する1文で、はっきり言って無自覚でも卑劣です。

僕がうつ病になった時はとある大学の附属病院で血液検査や脳のCTスキャンや血液の流れまでチェックされました。その時に医師と話もしましたが、糖質制限者が多いという情報は「経験者」様の主張とは合致しません。

また、僕が知る限り、一般人が書店で手に入るレベルでの糖質制限の参考文献を見てもうつ病との関係に大きく紙幅を割いている書籍はありません。以前書いたうつ病と低血糖症について | 原因は複数あるのか?の記事にあるように低血糖と絡めた記載のある書籍以外は情報を得ていないのです。

ただし、最大限良心的に判断して、うつ病ブログや糖質制限ブログのブログ主が目立つということから、うつ病=糖質制限と関連付けたと解釈することは可能です。

もし、そうだとすれば、元から情報発信をする人は少数派で世間と変わったことをしている自覚がある、という偏りがある事を覚えていないといけないでしょう。

結論として、うつ病患者の殆どが糖質制限をやっているという主張には根拠がありません。

そして2行目。

ケトン体はうつ病の原因ですよ。

これも根拠がありません。また、状況的にも不自然なのです。

ケトン体がうつ病の原因ならてんかんの食事療法は何故有効なのでしょうか?

「経験者」様はケトン食をすればうつ病になると言っているのですから、てんかんの患者はうつ病併発リスクを抱えて治療することになります。

確かにてんかんの二次的症状としてうつ病があげられますが、これはてんかんという持病を抱えることによる社会的な疎外感や将来への不安が原因であり、僕が調べた限りにおいて食事やケトン食が原因だというデータはありません。

3行目に行きましょう。

うつ病が増加した背景には、食の欧米化が関係しています。ご飯のからエネルギーを摂取していた頃はうつ病はごく稀でした。

一見関係があるかのような2点をつなげて主張していますが、実は全く根拠がなくデータもなくワラントもありません。ふわっとした主張ですね。

まず、食の欧米化とは何でしょうか?

おそらく、パンやパスタ、チーズや肉、砂糖を多く食べることでしょう。

つまり、ご飯ばかりを食べてあまりおかずもなかった時代のほうがうつ病はごく稀ということが言いたいのでしょう。昔はよかったバイアスですね。

ふわっとした主張なので、「経験者」様が言いたいことを僕が補完しながら反論するのは滑稽なのですが、仕方ありません。

まず、摂取エネルギーの割合に占めるご飯の割合が多い時代というのは、貧しい時代ということです。

肉体労働でエネルギーを消費し、ご飯を多く食べる。

こういった時代であれば、炭水化物=糖質を多く摂取しても筋肉で消費されてしまうので高血糖になるケースは珍しいですし、うつ病ビジネスもありませんから、診断される数が少ないとも言えます。

しかし、豊かになり豊富に炭水化物を摂取してあまり動かなくなれば、高血糖になり、血糖値を下げるインスリンホルモンの分泌とカテコーラミンの分泌異常も起きやすくなります。つまり欧米化=豊かになって炭水化物を大量に摂取できる時代とも言えるということです。

ここで何故、炭水化物の塊であるご飯だけが良い食べ物で、それ以外がダメだといえるのでしょうか?

仮にパンやパスタやお菓子ばかりを食べず、同量のご飯を食べても同じ症状が起きると思われますし、むしろそういう「バランスの取れた食事指導」が多くの糖尿病患者を苦しめていると言えるでしょう。

このあたりは引用したい部分が多すぎて手が足りないので、詳しくは下記の書籍を参考にするとよいです。

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
夏井 睦
光文社 (2013-10-17)
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ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書)
宗田 哲男
光文社 (2015-11-17)
売り上げランキング: 741
人類最強の「糖質制限」論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる (SB新書)
江部 康二
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売り上げランキング: 1,268

次に行きましょう。

それに、おかずを減らしてご飯をしっかりという食事は太りません。

これは全くの誤りです。おかずを減らしてご飯をしっかり食べる糖尿病の食事指導でたくさんの人が病気を悪化させていることは上記の書籍から明らかです。

僕の反論が間違っているというのであれば、上記書籍のワラント(信頼度)よりも、さらに高度に信頼のおけるデータを持ってこない限りは覆すことはできません。

それ痩せることにコミットさせるライザップではご飯は禁止です。

これは経験者に聞けばすぐにわかりますし、検索すれば体験談も多く見つかります。ご飯を食べない生活が苦痛で、つい食べてしまってリバウンドというケースは山ほどあります。

この主張を真に受けてダイエットをすればひどい目にあう事間違いありません。明らかに誤りだと言えます。

これが最後の部分です。

麺類やパンや甘いものの炭水化物は日本人には合わなく太りやすいですが、ご飯は最低限エネルギーの6割はとらないとうつ病は治りませんよ。

これも決めつけに過ぎません。まず炭水化物=太る、と考えているようですが、正確には糖質で太るのです。民族ごとに合う糖質と合わない糖質があるいうのがこの主張の肝です。もし、炭水化物と糖質の関係を知らずにこの主張をしているのなら、最初から議論する資格はないと言えます。

そして寡聞にして日本人に合う炭水化物(糖質)という言葉は初耳ですし、裏付けるデータも見当たりません。

また、ご飯はエネルギーの6割というのは、厚生省と農水省が公表している食事バランスガイドに準拠する数字だと思われます。しかし、これは糖質過多でしかも科学ですらないと、夏井医師は主張しています。

まず、食事バランスガイドはどうやって作られたかというと、国立健康栄養研究所が日本人の食事の平均値を調べて算出した数字がもとになっています。

そしてこの数字には下記のような大きな問題があります。

つまり、栄養学的・生物学的にこの量を摂取する必要があるという数字ではなく、日本人は習慣としてこのような食事をしていますよ、という調査結果から、日本人の食事の理想的なバランスを割り出した代物なのです。

~中略~

農水省や厚労省がアンケート結果を元に「カロリー数の6割以上は炭水化物で摂取すべきである」と考えているのであれば、これは科学の基本すら知らないといわざるをえない。これが許されるなら。科学に実験も考察も不要になり、多数決で決めればいいことになってしまう。

~中略~

繰りかえすが、「国民の3人に2人が赤信号を無視して横断歩道を渡っている」という調査結果がでたとしても、「赤信号」は無視して渡ってよい」としてはならない

炭水化物が人類を滅ぼす p98~99から

これでもご飯(炭水化物)から6割のエネルギーをとることが妥当だといえるでしょうか?

僕には到底根拠のある数字とは思えませんが、ジャッジするのは読んでくださった方です。

そして炭水化物を6割取らないとうつ病が治らない、と主張していますが、ここまで来れば破たんしているのはいうまでもありません。

アンケートによって日本人はカロリー数の6割を炭水化物から摂取していることが分かったから、同じ割合を摂取すればうつ病は治るというのですから、前後がつながっていません。

むしろ、うつ病になった人も平均的な食生活をしていると考えるのが自然です。

そうでなくて、うつ病にかかる人の食生活にはご飯(炭水化物=糖質)が少ないというのであれば、その主張の裏付けが必要です。

もし仮に「経験者」様の主張が正しければ、その社会的インパクトは計り知れないでしょう。

しつこく反論した理由

ここまで長文を読んでくれた方、お疲れ様でした。

どうして議論の前提条件まで書いて、こんなにしつこく反論したかというと、まさに冒頭に僕が書いた通りで人に説明するのが大変だから。

いちいち誤解を解いて回る大変さを軽減したい、少しでも多くの人に読んでもらって誤解や偏見をなくしてほしい一心です。

その点、「経験者」様のコメントはある意味、典型的な無理解者のモデルといえました。

根拠がないと一言で言っても聞かない人がほとんどですから、こうして回りくどく解説する必要があるのです。向こうはコメント書き捨てで、こちらは調べて数千文字を記事にする。本当にコミュニケーションコストが非対称です。

しかし、正直なところ、ブログに書き込みをするというハードルを越えて、このような主張をする人にはいくら言葉を尽くし、何を言っても無駄だと感じています。

でも、検索などでこの記事にたどり着いた人にはちゃんと伝わると思って書きました。

糖質制限やうつに関しては誤解や偏見が多く、風当りが強い世の中です。批判に凹まされず、平常心で暮らしましょう。

分かる人は分かってくれますから。

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6 件のコメント

  • 私も同感です!いっぱい調べてすごいですね!書き捨てていく人達など気にせずこれからもよい情報を発信してください!

  • コリンキャンベル博士の本を読んだことありますか?
    欧米に住んでいましたが、賢い人達の間ではベジタリアンが浸透していて、動物性たんぱく質はすべての病の原因であると言われていますよ。
    肉食を進める背景に何があるのかご存知でしょうか。
    日本やアメリカでは、知識がない愚かな医者などが好き勝手言ってますが、ケトン体が原因かどうかは研究結果を知らないので何とも言えませんが、私も経験者様の意見は概ね正しいと思います。

    • 通りすがり 様

      コメントありがとうございます。

      ちょうどタイムリーな話題なので後日記事に取り上げたいと思います。

  • 余計なおせっかいかと思いますが、人のコメントをさらしあげてブログ書くのはどうかと思います。
    肉を進めるのは勝手ですが、ブログ主様が精神的に病んでるとしか思えません。

  • てんかんと同様に,双極性障害にも有効であるという可能性が示唆されている論文も読みました。

    ケトン食はうつ状態には有効のようですね。

    現代食のほとんどは高糖質ですから,うつ病の方も,一般的に高糖質の食事を摂っていると考えるのが自然で,たしかに指摘している人の主張は強引です。
    また,g

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