脳疲労とうつ病の関係について|回復させる方法とは?

ツバメーイミダペプチド うつ病

僕はうつ病から復活した経験があるだけに、書店で脳関係の書籍を見つけたら即買ってチェックするのが習慣になっています。つい先日、書店ですべて疲労は脳が原因、という本を見つけました。

この本は糖質制限とは違うのですが、いくつか目から鱗がとれるような面白い点があったので記事にしたいと思います。

ちなみに筆者の梶本修身さんは医師で、産学共同提携の疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクトの責任者です。

この「抗疲労薬開発」という点にひかれましたね(笑)

疲れない薬や食べ物というのは、まさに僕だけでなく他の誰もが望んでいるものなのですから。

すべての疲労は脳が原因 (集英社新書 829I)
梶本 修身
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体は疲れない!

まずいきなり驚いたのが、体の疲労は嘘という事。脳が先に疲れを感じるから、肉体に疲労を感じるという研究成果です。

そして疲労とは自律神経の酸化である!と定義づけしています。

運動をすると筋肉に乳酸がたまるので、乳酸こそが疲労の原因と思われていたのですが、現在では誤りであることが確定しているとの記述は驚きました。

研究動物に乳酸を注射しても運動能力や持続力は変わらないからです。

肉体を動かすと自律神経のコントロールに負荷がかかって酸化するので(脳が疲れるから)肉体に疲れの信号を送る、というのが医学的に正しいとのこと。

つまり、体を動かすと体が疲れる気がしますが、実は制御している脳のほうが体よりよっぽど疲れているというのです!

この脳の疲れを脳疲労というのですが、一般的に脳疲労というと長時間のデスクワークで目や頭脳を酷使した結果、集中力が落ちてきたり、ミスが増えたり、気分が落ち込んできたりする事をさしていますから、大ショックです。

誰もが経験したことのある、運動をすると頭がすっきりする、というのは運動をすることで脳内にカンナビノイドやエンドルフィンといった脳内麻薬が分泌される事が原因なので、実は疲労は消えていないというのです。

これを疲労のマスキングといいます。マスキングとはマスク、つまり隠すということです。

だから仕事帰りにジムに行くとか、日曜の朝早くにゴルフに行くというのは健康的には逆効果だそうです。

もちろん、体を動かさずデスクワークをやり続ければ、やはり脳は疲労するのですから、どの道、脳は疲れてしまうのです。

脳疲労を解消する成分とは?

そこでただ脳を休めて安静にしてください、エナジードリンクやタウリン、ウナギが疲労に効く根拠はないですよ、というだけだったら本書に価値はありません。

なんと研究の結果、脳疲労を改善する食事成分が発見されたのです。

それはイミダゾールジペプチド、通称イミダペプチドです。

イミダペプチドは渡り鳥の胸肉に多く含まれています。

いったいどうして鳥の胸肉なのかというと、数万キロを超える渡りをするときに、長時間羽ばたいて飛び続けるために疲労回復成分が含まれているそうです。

また、カツオやマグロのような回遊魚の尾びれに近い筋肉にもイミダペプチドは多く含まれます。

これは96人の被験者にエルゴメーターと呼ばれる固定式自転車を4時間こぎ続ける身体作業とデスクワークを4時間続ける精神作業を行った結果、得られたものです。

ちなみに渡り鳥の胸肉なんて言われても、例えば雁とかツバメの胸肉など肉屋でも売っていませんが、渡りをしない鶏の胸肉にもイミダペプチドが含まれており、疲労回復が認められるとのことです。

このあたりの記述を読んだとき、僕のような糖質制限者は鶏肉を多く食べますから、もしかしたら疲れを感じづらくなった理由の一つに、このイミダペプチドが関係あるかもしれないと思って興味がわきました。ちょっと探して飲んでみようと思います。


脳疲労とうつ

本書は脳疲労の原因が精神的なストレスや情報処理的な作業の積み重ねだけでなく、肉体の制御を行う自律神経に関係があり、運動すること自体がストレスになる、という非常に面白い気づきが得られる本でした。

しかし、全てにおいて僕の個人的な経験と整合性がとれているわけではありませんし、本書は産学共同提携の疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクトの成果であるイミダペプチド推しですから、多少思うところがないわけではありません。

ただ、何事も極端に走るのはよくないし、うつの症状や原因も人それぞれですし、うつ病と診断された人と、それ以前の疲労状態では効果も変わってくるでしょう。

おそらくは、精神的な疲労に特化して脳疲労がたまりすぎると、うつの原因となるのではないでしょうか?

精神面と肉体面が同程度に疲労していれば、うつにはなりにくいように思えます。ようはバランスです。

これは肉体労働をしている時期は自律神経失調症やうつ病の症状が出なかった、という多数の体験談からの推測に過ぎませんが、うつ病から社会復帰に成功した立場からすればかなり確度の高い推測だと思うのです。

とにかく、カツオとマグロの尾びれに近い肉や鳥の胸肉を食べると、ごく自然な食事の中でイミダペプチドが摂取できるので脳疲労を和らげることができるでしょう。

僕もうつの時に鶏肉とかマグロをたくさん食べていたら症状軽くなったのかな?

今となってはわかりませんし、戻りたくもない過去ですが、糖質制限と合わせて疲労回復の手段として有効だと思います。

イミダペプチド

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