糖質制限や低血糖、うつ病に関する本は結構な数を読んだと思ったのですが、大事な一冊を読み忘れていました。おすすめの一冊です。
その大事な一冊とは夏井睦先生の炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学です。糖質制限の体験談が数多く収録されていて、僕の考えを裏付けるかのように感じました。
当然の事ですが、内容的にはこれまで読んできた糖質制限の本と大きな差はありません。ただ、一番紙幅を割いていて読みごたえが凄いポイントはどうして糖質制限が正しいのか科学的に考察している点です。
- どうして人間の脳がブドウ糖で動くのに糖を取りすぎると病気になるのか、
- 脂肪酸が直接脳のエネルギーにならず、ケトンにされているのか、
- 食べずに生きている人がどうして存在するのか、
- カロリー計算の矛盾
など、生命進化の歴史や人類が食べてきたものなどから考察しています。
医者でありながら、文化人類学や考古学者的な視点も同時に持っておられるようで本当にスケールが大きく、ある意味SF的とも受け取られかねない位の面白さ。
本書をタイトルの参考にしたというケトン体が人類を救うでは、日本人の食生活や胎児に関する知見で糖質制限を解説していますが、両方読めばまず間違い無く知識レベルでの糖質制限マスターになれるでしょう。
そして、ダイエットという分野に限ればここまで説得力とエヴィデンスのあるメソッドは存在しません。糖尿病や出産といった命がかかった現場からの発信だからです。
朝バナナダイエットを初めとする○○が体にいい系ダイエットとは明らかに一線を画しています。
そもそも消費者だってバカではありません。
手を変え品を変え、新たなダイエット法が世に出て来る理由がビジネスだって事位気付いていますし、そういう浅はかなプロモーションを信じる事はもはや不可能。
手軽だし、やらないよりいいだろうから乗ってみようか、といった感じ。
僕には彼ら・彼女らが、本心から信じてダイエット食品を買っているとは思えないのです。
TVしか即応性のある情報源が無い時代は終わっています。
情報がストックされ続けるネットの時代では検索すれば大体の事は分かりますし、賢い人の意見を参考にする事も可能なのです。
糖質制限で頭がよくなる
頭の良さ、といっても沢山の意味がありますが、大抵の場合は下記の3点が定義として上げられるでしょう。
- 記憶力
- パターン認識能力
- 精密な作業を行う際の正確さ
これらの機能がある基準を下回る人が頭が悪い人とか、頭の働きが鈍い人と言われています。
そして、うつ病にかかると上記の3点はほぼ間違い無く機能低下します。場合によっては労務提供出来ないほどに悪化しますし、受験生だったら学習能力がガタ落ちです。
本書の「糖質セイゲニストかく語りき」のチャプターでは痩せたとか、元気になったといった報告の中にこんな声が寄せられています。
- 頭のモヤモヤが晴れた
- うつ病が良くなって薬を止める事が出来た
- 眠ってばかりの中学生の子供ががはつらつとして成績が良くなった
もちろん僕自身も糖質制限が有効であることははっきりと体験していますし、日々実感しています。
これらの声は「頭が良くなる」の定義的にも当てはまると言えるでしょう。
つまり糖質制限をすると頭が良くなるのです!
また、糖質制限すると血糖値のスパイクが発生しないので眠気を感じづらくなりますから、長距離の運転を仕事にする人にとっては居眠り運転防止にもなります。
糖質制限は本当にいい事づくめだと言えますね。
食べ物を変えるだけで、元気になり頭が良くなり皮膚も綺麗になる。
やらない理由はないと思いますよ。
追記
続編が出版されました。

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