これは一見乱暴な意見に聞こえるかもしれませんが、経済的余裕があればかなりの確率でうつ病の発生を防いだり、治療する事が出来ると思います。
うつ病という病気自体がビジネスとして作りだされた背景があるというのは、脳機能学者の苫米地博士ですが、うつ病という名前でなくても同じような症状が発生していたことは多いです。
明治の文豪、例えば芥川龍之介や太宰治の精神衰弱なんて完全にうつ病の事ですよね。
遺書には将来への漠然とした不安なんて言葉が書いてあります。
また、戦争帰りの兵隊が無気力になって寝てばかりいたり、仕事をする事が出来なくなったぶらぶら病も今だったらPTSDとかうつ病だと診断されるに間違いありません。
これは戦争経験者関係の書籍を読めば結構頻繁に出てくる病気です。
どこどこさんの息子は戦争から帰ってきたけど働きもせず毎日寝てばかりとか、ぶらぶらしているだけになってしまったとか・・・。
そんな訳で本当にうつ病診断されて、脳の自由が利かない感じになった僕からすると、苫米地博士の言にはちょっと異論をはさみたいところです。
もちろん、博士がオフィシャルな発言でうつ病を否定することでファションうつや、これ以上のうつ病の流行を止めるという意図があるかもしれないという事はまた別の話。
多分きっとこれはストーカー問題と一緒です。
ストーカーとかストーキングという言葉はごく一部の変質者やミリタリーオタクの間でしか使われなかったのに世の中にはこんなに怖い事をする人がいるんですよってマスコミで報道した途端、ストーカー被害が増大したそうです。
真似する人や自分が誰かに付きまとわれているって被害妄想を感じる人が現れたのです。
問題の存在を教えてあげた途端、その問題が発生してしまうというのは悩ましいところですね。認識が存在を生み出すのです。
お金とうつ
うつ病の主な原因は脳内の神経伝達物質の不足などですが、これはパソコンで言えば、ハードウェアの不調に過ぎません。
一番重要なのはソフト(心)の問題です。
著しいストレスにさらされてうつ病を発症するのですが、そのストレスはどうして感じるか、ストレスを避ける事が出来ないかといえば、経済的問題が直結しているからです。
多くの場合、職場の人間関係がうつの原因となるのですが、簡単にそこを去る事が出来ればうつ病になったりしません。
出社が憂鬱になるのは、嫌だけど行かなくては給料を貰えないからです。
家賃や税金、生活費の問題で簡単に転職できないからストレス環境下にとどまる必要があるのです。
つまり、経済的自由があればストレス環境下にとどまる必要が無いので、さっさと転職する事が出来るのでうつになりません。
自由がきく大学生がバイトでうつ病になるという話は聞いたことがありませんから、おおむね正しいのではないかと考えています。
また、うつ病になる気分に拍車をかけるのが不安です。
ブラック企業に勤めていると将来に対して全く希望が持てません。
こんな生活をあと40年も続けるのか・・・と思うと絶望しかないです。
昇給率やら自由になる時間やらを考えて、このままの状態がずっと続くと考えれば考えるほどにうつになります。
個人的な経験としては、将来に対する不安は現状のストレスを100倍にも増大させます。
配偶者など親族の死もうつ病の原因になりえますが、逆を言えばそれくらいの事が無い限り瞬間的なストレスで心が折れる事はまず無いです。
お金がうつを解消するのは不安をなくしてくれるから
精神病の人に、50ユーロを9か月間「投与」してみたら、対象群に比べて不安やうつ症状が減り、人間関係も豊かになり、生活の質も向上したというスウェーデンの論文があります。
僕も最初は下記のようなTwitterで知ったのですが、50ユーロなんて精々6000~7000円程度です。
この金額は毎日なのか毎月なのか気になって元論文を調べたところ、毎月でした。
in addition to treatment and financial support as usual,
an extra allowance of 500 SEK (73 USD, 53 Euro)per month
たった6000円程度でも9か月間もらえれば7か月後でも、幸福感はそれ以前に比べて上がっているのです。これは正にお金が不安を消してくれるからでしょう。
経済的な問題を解決する事がうつ病からの回復に繋がる事は間違いありません。
だから出来るだけ会社の休職制度や国の失業給付金制度を活用して下さい。
頼りないですし自発的に使うと言わないと使えないのですが、これはセーフティネットです。
会社の福祉厚生は給料の内ですし、失業給付金は僕らが積み立てたお金です。
利用するのに何をためらう事があるでしょうか?
失業保険などは実際に毎月から引き落とされていますから給料明細をチェックして下さい。
制度を活用し、得た時間でうつから回復して新たな道を探るのです。
追記
コメント
知人のお嬢様は2億円の結婚式をあげて高校の時からつきあっていた彼と結婚してから鬱がひどくなり、自殺未遂を繰り返したのちに離婚。 大学の同級生は外資系銀行勤務のエリートについてNYでセレブライフを送っていて、可愛いこども2人にも恵まれていたけどうつで自殺。別の同級生は親から銀座のビルを相続していてヒマつぶしで働いていたけど、ある日突然やはり鬱で自殺。 私の周囲で鬱で苦しんでいる人はお金には全く困っていない人が多いです。