糖質制限のリスクとは?血栓が出来るって本当なのか?

リスクイメージ画像 糖質制限

先日、友人と話をしていた際に糖質制限で血栓が出来るリスクがあると
聞いたことがあると言われました。これは本当なのでしょうか?

色々と調べてみましたが、僕が知る限り糖質制限を推奨している医師の本に限れば、
ある一冊を除いて糖質制限で血栓が出来るという記述はありません。

その一冊とは順天堂大学大学院の白澤卓二教授の
「糖質オフで脳が20歳若返る」です。

この本の155ページに下記の記述があります。

糖質を極端に制限する食事を長期間続けると、
脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるという報告もあります。

このリスクを避ける為に著書の中で白澤教授は、
納豆やナットウキナーゼのサプリメントを推奨しています。

ただ、この報告がどこから来たのか不明なのです。

特に気になるのが白澤教授の著書では、
後半に特定のサプリ類を画像付き&商品名で推奨しているパートがあり、
非常に宣伝的でモニョる部分があります。

なお、ネットで手に入る限りの情報・・江部先生のブログによれば、
下記の書籍の150ページに下記の記載があります。

『バーンスタイン医師糖尿病の解決』
(第2版、2009年リチャード・K・バーンスタイン著、太田喜義訳)

「減量期間中、多くの人たちが知らないうちに血液の塊をつくる血小板の凝集を経験する。したがってアスピリンの服用を勧める」

これが減量している際に血栓が出来る→糖質制限で減量すると血栓という具合に、
曲がって伝わったのではないでしょうか?

むしろ、血栓が出来ないようにするには良質のたんぱく質と
コレステロールを摂取するよう推奨する内容もあり、
これは糖質制限そのものです。

血栓ができやすくなるというのは、糖質制限そのものとは関係が無く、
むしろ水分不足や運動不足といった減量に伴う別の要因があると高雄病院の江部医師は、
主張しています。

エビデンスレベルを意識しよう

僕たちのような専門家でもない人間が正しい情報を探す時、
一体どうすればいいのでしょうか?

ネットで検索しても糖質制限のリスクについて調べれば、
リスクについて記載した記事がみつかりますし、
安全性について調べれば安全だと記載した記事が見つかります。

これでは一体何が正しいのかよく分からない状態です。

そこで重要となるのがエビデンスレベル、
EBM(Evidence-based Medicine)根拠に基づく医療です。

エビデンスレベルとはその情報がどれくらいの精度に値するかの指針になります。
下記がエビデンスレベルで、上に行くほどに確度高くなります。

  • 1a ランダム化(無作為)比較試験のメタアナリシス
  • 1b 少なくとも1つのランダム比較試験(RCT)
  • 2a ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究(前向き研究)
  • 2b ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究
  • 3 奨励対象研究(ケースコントロール、後ろ向き研究)
  • 4 処置前後の比較などの前後比較、対照群を伴わない研究
  • 5 症例報告、ケースシリーズ
  • 6 専門家個人の意見(専門家委員会報告を含む)

細かい定義づけはともかく、高いエビデンスレベルが無い情報には価値が無いのです。

実際、白澤卓二教授の著作では試験をした結果、血栓が増えるといっているのではなく、

糖質を極端に制限する食事を長期間続けると、
脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるという報告もあります。

と、記載しているので人が言っている事を引用しているにすぎません。

これは精々エビデンスレベル6か5でしか無い上に、
しかも引用元を明らかにしていません。

誰かが糖質制限で血栓が出来ると言っているから・・・という程度の信頼度だという事です。

これに対して糖質制限の安全性については2014年に北里研究所病院糖尿病センターにおいて、
RCT(無作為)試験の論文を提出しており、これはエビデンスレベル1bとなります。

※宗田哲男医師による「ケトン体が人類を救う」から

つまり、糖質制限の安全性と有用性はより厳しく精査された上で、
情報発信されていると言えます。

「糖質制限 血栓」で検索をかけると余りにも間違った情報が流布されていて、
本当にめまいがする思いです。

ご飯を食べずに肉ばかりを食べるのだから血液がドロドロになって
詰まりやすくなるのは当たり前とか・・・。

だったら北里研究所病院糖尿病センターの試験の結果はどういうことなのかと!

コレステロールについても現在はこのような状況で、
コレステロール=どろどろ血液という考えは間違っているのです。

動脈硬化学会声明 「コレステロール値、食事で変わらない」 生活習慣全般の改善を
出典:産経ニュース

うつ病についても同様ですし、
間違い無く他の情報についても似たような状況だと思われます。

主張は一体何も基づいているのか、どんな人が発信した情報なのかよくチェックしないと、情報に踊らされて高価なサプリを買ってしまったり、偏見を育ててしまいます。

糖質制限には変なリスクは無いので自信を持って勧められますし、
僕自身も実践しているので、安心して取り組んでほしいと思います。

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