季節によって抑うつ状態のつらさが変わる、そんな症状が出ている人も
いるみたいですね。
会社とプライベートで症状が変わる新型うつ病はよく知られていますが、
季節性うつ病というのはあまり目にしません。
調べてみたところ、日照量の少ない緯度の高い地方では、
冬の間などに発症する人がいるみたいです。
メカニズムはハッキリ解明されていませんが、日照量が不足する事で
セロトニンが十分に分泌されなかったり、体内時計がくるってしまう事が
有力な原因とされています。
つまり高緯度地方は人間関係や仕事などのストレス要因に加えて、
日照量不足もうつを引き起こす原因になるわけです。
日本は南北に長いので、最北端である北海道の人口1万人あたりのうつ病患者数が
日本一である事はこれを裏付けているでしょう。
雪や気温との相関係数は、年間平均気温が-0.3817と弱い負の相関、
年間雪日数が0.4116と弱い正の相関となっていて、
平均気温が低く、雪が多い地域にうつ病患者が多い傾向がある。
高齢うつ病患者数はこれよりも相関が強く、
うつ病と気候には相関があると言えそうだ。
都市部でのうつ病ばかりがクローズアップされるのは、
人口比ではなく、単に数が多いからだと思います。
季節性情動障害や冬季うつ
季節とうつ病の関係については、春にはうつになりやすいとか、
寒くなり始める秋が危ない等、様々な情報が出ていますが、
僕がたデータを見つけられたのは上記の都道府県別うつ病ランキングのみです。
そしてなにより、日照量が関係する一過性の抑うつ状態は別として、
うつ病になりやすい季節というのは無いと思います。
うつになったかどうか、というのは風邪のようにはっきりした基準がありません。
ある朝目覚めたら体温が38℃あったから風邪、というのは
誰もが納得できる例ですが、うつの場合はこれが無いのです。
ある朝異様に目覚めが悪くなった、気分が重い、
今日から私はうつ病だ!とはならないわけです。
こんな事を言い出す人がいたら、まだまだ余裕があるし、
うつ病を利用する気満々のように思えます(苦笑)
その為、どの季節にうつになったか、というのは特定しづらいですし、
意味も無いと思います。
季節性情動障害と診断されたことは無いですし、
患者に会った事も無いので診察が下される基準が分かりませんが、
障害の定義上も、初診ではまず下されないのではないでしょうか?
数年にわたっていつもこの時期に・・・となってから、
季節性情動障害なんだ、と分かるのだと思います。
そして冬になったからうつ病に気を付けようとか、
季節性情動障害だから冬は休職しますとか、実際問題としてあり得ないでしょう。
うつ病の細分化は無意味
心の病気は症状の細分化をすればする程に本質が分からなくなってしまいます。
- うつ病
- 大うつ病
- 仮面うつ病
- 新型うつ病
- 非定期うつ病
- 高齢うつ病
- メランコリー型うつ病
- 産後うつ病
- 緊張性うつ病
- 精神性大うつ病
- 冬季うつ病
- 季節性情動障害
- 季節性うつ病
探せばもっと様々なうつ病がみつかるでしょう。
ただし、これは毒矢の例えと一緒で学者先生以外にとっては無意味です。
いくら厳密に定義付けても本人の苦しみが減じるわけではありません。
うつで悩んでいるのなら、自分の症状を調べて条件に当てはまっているか、
安心する事なんて事は即刻止めるべきです。
出来るだけ病気に意識を向けない、病気や今後の事について考えない事が、
回復への第一歩になります。
自分の病気や今後にばかり集中していると、
どんどん気分が内にこもっていって、しかも暗い考えしか思い浮かびません。
これは元うつの人達と話をしても共通しています。
うつで失業中に一人で部屋にこもって貯金とか再就職の事を考えていたら、
気が狂いそうになったとか、
お金が無くなって実家に帰った時に何て言うべきかシミュレーションしたとか、
何度も耳にしました。
うつがキツい時は本当に思考がまとまらないので、
時間が飛ぶように過ぎていきますが、
多少なりとも回復傾向になり、余裕が出来てから先の事に思いを巡らすと、
こういった暗い想念が湧いてくるのです。
うつからの復帰の段階に応じて出来る事は決まってきます。
このままの状態がずっと続いたらどうしよう、と考えても意味が無いです。
出来るだけ症状に集中しない事、薬を飲むなり、体を動かすなり、
糖質制限するなり、出来る事だけやって余計な事を考えない事が
早い復帰のカギになると思います。
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