鬱がどの程度なのかにもよりますけど、
筋トレや運動が鬱の解消に繋がる事は間違いありません。
これまでの記事でうつと抑うつ状態、うつ病の診断基準などについて、
解説してきましたが、
運動療法の成果については疑う余地が無い程にハッキリしています。
しかし、どうして筋トレの効果効能についてみんな懐疑的なのでしょうか?
筋トレしたけど鬱が解消しない
スクワットとか腕立てしたけど全然鬱が解消しないよ、という人もいますが、
原因は明らかです。
まず、あまりにも筋力が足りないので、
少ない回数で短い時間しかトレーニング出来ないパターン。
かつての僕です。
スクワットを30回やったらもう足がガクガクになってしまい、
続けられませんでした。
30秒ほど休んでも2セット目は10回で終了。
腹筋に関しては10回すら出来ません。
しかも次の日はキッチリ筋肉痛になっていて、
何日も痛みが残りました。
これで鬱が解消したかというともちろんそんな事はなく、
自分の至らなさを思い知らされただけです。
こういったごく初期の体験で懲りてしまって、
やっぱり安静にしていた方がいいんだと考える人はかなり多いです。
そして筋トレすると欝が酷くなるとか言ったりします。
問題は余りにも基礎体力が無さすぎて回数をこなせず、
汗をかいたり爽快感を味わうところが出来る段階まで進んでいない事です。
それには継続が大事ですから、いきなりふがいなさに凹むようなキツイ負荷をかけたり、
気負って筋トレを始めるような事は避けるべきです。
だからこそ、僕は強度の高いトレーニング機器や健康食品を勧めません。
いきなり走り出すのではなく、まずは徒歩、それから速歩きをという段階を踏む事が必要です。
直ぐに成果を出そうと極端な事をしてしまうのも、うつ病の特徴の1つです。
鬱解消に全身運動
これは新宿OP廣瀬クリニックの廣瀬医師の著作でも語られていますが、
鬱には全身を使った運動が効くとの事。
こころに効く運動の条件を下記の様に述べています。
- 脳内でドーパミンを増やす
- 運動中、不安やうつ気分を薄れさせる
- 楽しく行える
- 運動後達成感が得られる。
これら全てを満たす運動として著作の中で廣瀬医師は、
キックボクシングを推奨しています。
その理由は下記の通りで確かに最もなのですが、あまりにもハードルが高いでしょう。
- 充実感、達成感が得られる
- 対人関係の保ち方が上手くなる
- 度胸が付き、自信が湧く
- ストレスを解消できる
- 心的エネルギーを充足できる
この動画を見る限り、かなりスカッと出来そうですが、
ジムに登録するだけの心のエネルギーを貯める事の方が先だと思います。
同じようなトレーニングだったらムエタイでもいいかも知れません。
これらの動画を見て自分もミットを殴ったり蹴ったりして見たいと思う人は
多いでしょう。僕もそうです。
ただ、逆噴射して極端から極端に走りやすいのが鬱な人の特徴だという事を
忘れてはいけません。
調子が良くなるのだったらと意気込んで入会し、ジムの空気になじめず浮いてしまい、
ますます鬱の度合いを深めてしまう事は十分に考えられる事態です。
ジムの雰囲気というものもありますし、
本当にストイックにタイトルを取る事を目指している人ばかりが集まったジムで、
超初心者の面倒を見てくれるかといったらかなり怪しいと思います。
実際問題として鬱解消として受け入れ準備があるようなジムで無い限りは、
かなり厳しいです。
運動不足解消やストレス解消目的の入門も歓迎しているジムは多いですが、
それでもやはり空気は独特です。
僕も数件見学に行きましたが、やはり空気が緊張していますし、
どうしてもイカツい感じがするところが多いので、
欝病の人だとかなりいじられる事は覚悟する必要があります。
どうして鬱になったの、何をしていたの、欝ってどんな気分・・等。
そういったジムの場での人間関係も含めて必要な事だと思って、
廣瀬医師は鬱解消にキックボクシングを勧めているのでしょう。
そこで次善の案としてキックボクシング的な爽快感はありませんが、
ホットヨガはかなりお勧めできます。
ホットヨガはサウナのような高温高湿の部屋でヨガのストレッチを行います。
温度38℃、湿度60%などのような環境でヨガストレッチをすると、
汗がダラダラ垂れてきて、無意識に硬直していた体も緩んできます。
レッスンが終わったら絞れる位に汗をかくので極めて爽快で、達成感があります。
上の動画のように女性向けのスタジオが多いのですが、
中には男性可のスタジオもあります。
実は僕は回数制のスタジオでチケットを買って、
数か月間通っていました。
女性にはキックボクシングよりもよっぽどお勧めですし、
男性でも男性参加可能なスタジオに行けば、恥ずかしくありません。
体が柔軟性を取り戻せば心も柔軟になってきます。
いい事づくめです。
最後に
どうしてこうまでも肉体と心を切り離して考える人がいるのかよく分からないのですが、
心と体は繋がっていて両方を同時に意識しないといけません。
頭ばっかりでも体ばっかりでもダメよね、というのは昭和のCMですが、
頭の部分を心に置き換えても通じます。
じっと座っていてもモヤモヤが取れない時はに気分転換するのは、
運動するしか手はありません。
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