ここでは強いマインドの作り方について説明します。
まずは強いマインドというものがどんなものか?
そして、存在するのかといった原点から始めます。
よく折れない心とか、あの人はストレスに強いとか、
精神力を鍛えるといった言葉を耳にしますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
確かに同じプレッシャーをかけられた環境にいても、
毎日元気に仕事を続けられる人や何があってもあきらめない人は存在します。
違いがあるのですから、強い心というのもはあるようにも思えます。
しかし、そもそも論として「心」という目に見えず、
手に触れる事も計測する事も出来ないものを鍛えようがありません。
見も蓋もないような言い方ですが、
心が実在しているかのように捉えるのは間違いなのです。
だから、ここで説明する強いマインドは諦めない心という意味ではありません。
説明の便宜上、強いマインドと言い習わしているだけで真意は全く別物なのです。
本当の意味でのマインドとは?
ここでいう所のマインドとは、目標達成への姿勢という意味で捉えて下さい。
これまでにやろう!と決めた事が出来なかったという経験が1度として無いという人は、
この世にいないはずです。
毎日1時間早く起きてジョギングをしようとか、
ダイエットの為におやつをやめようとか、
禁酒しようとか。
みんな目標を設定しますが、その達成率はそんなに高くないはずです。
何故なら、その原因は目標達成という考え方自体に問題があるからです。
目標を作るという事自体が実は間違っています。
作るべき「目標達成への姿勢」とは、
目標として定めた事が既に自分の日常になっていると強く認識する事です。
先ほどの例にすれば、
私は毎日1時間早く起きてジョギングをしているとか、
私はおやつを食べない人だとか、
酒なんて嫌いだ、という姿勢です。
もちろん、目標にするからには今の自分とは違う「姿勢」である事は間違いありません。
現時点ではジョギングなんてしていないし、おやつも食べるし、酒も好き。
その状態のまま、目標を達成済の状態の自分であると強く認識して下さい。
さらに言えば、そういう自分だと気づいてください。
すると何が起きるでしょうか?
あれ・・・毎朝ジョギングしているはずなのに、今朝はこんな時間まで寝てしまった、
今日はおやつを食べてしまった、夕飯は食べるのをやめよう、
今日は酒を飲んでしまったけど、酒嫌いなのに何でのんでいるのだろう?
強く思いこむことで現状との齟齬が生まれます。
これにより、いつもの自分(目標として設定した)に戻るために、
物凄いパワーが生まれます。
このパワーが当初設定した目標を達成させてくれるのです。
なお、思い込む!というのは少しニュアンスが異なっていて、
「思いこむ」とは本当はそうで無いけど、そうだとみなす、という意味があります。
そういう自分だと「みなす」、とか「気付く」が一番近い感覚です。
分かりづらいと思いますが厳密に言葉を使うとこうなります。
目標達成の極意
どうしてこんな周りくどい事を説明するのか不思議に思う人も多いでしょう。
1つ例をあげます。
あなたがテストでいつも80点を取る人だとして、
ある時テストで60点を取ってしまったとします。
あなたはどんな行動をとるでしょうか?
しまった、いつもよりも点が低い!勉強しよう!
これによって次のテストではいつもの自分の点数に戻り安心します。
他にも、体重や体型です。
ある時鏡を見たら、なんだか腹部に贅肉が目立ち、体重も増えていた。
ヤバい、いつもは60kgなのに70kg近いぞ。
これじゃデブではないか!スーツが切れなくなるし、痩せなくちゃ!
最後にもう1つ、風邪をあなたの体温が38℃にまで上昇していたら、
体は勝手に汗をかいたり、病原菌をやっつける為に免疫活動が活発化します。
その結果、平熱に、健康状態に戻ります。
これらに共通している点があります。
それは元の状態に戻ろうとする力が働いたのです。
この力をホメオスタシス(恒常性維持機能)といいます。
3番目にあげた体温の例が正にイメージしやすいホメオスタシスです。
体温が勝手に上がったり下がったり、血圧が安定しなかったりしていては、
生命活動を維持できません。
ホメオスタシスとは生命活動を維持する為の機能なのです。
そして、このホメオスタシスの機能は「自分の心」にまで作用します。
いつもの自分から逸脱すると、元に戻そうとするのです。
太った事やテストの点が低い事はいつもの自分の状態ではありません。
だからホメオスタシスが働いていつもの体形・いつもの点数に戻そうとするのです。
しかし、このホメオスタシスには善悪好悪の判断はありません。
低い点の時に高い点に戻そうしたり、太った時に痩せようとするのは、
自分にとって都合のいい働きですが、
いつもより高い点を取ると、次のテストでいつもの点にもどしたりり、
スマートでムキムキの肉体になっても元の体型に戻します。
現状から外れた動きは全て察知されて、
肉体的にも精神的にも今のあなたの状態でい続けさせるのです。
何故でしょうか?
それは生命活動維持のためです。
昨日までの生活をしていれば今日も生きていける。
昨日までの肉体的・精神的状態を維持していれば、今後も生きていける。
自分が良いと思う変化でも、
変化する事自体がリスクだと無意識は判断するのです。
この動画をご覧下さい。3分に切り取られているので直ぐに視聴可能です。
苫米地英人さん『脳の仕組み』(現状維持・コンフォートゾーンなど)
再生時間:3分24秒
この動画で語られている事がまさに目標達成をする為の極意と言えます。
ホメオスタシス
このホメオスタシスの働きが目標達成できない原因です。
あなたが向上心を出して筋トレを始めても続かないのは、
ムキムキでスマートな状態は今の状態とは違うからです。
せっかくダイエットしたのにリバウンドするのも、
現状に戻そうとするホメオスタシスのせいです。
この心と体のからくりを知らないと、
ホメオスタシスという無意識の機能と正面から戦うことになります。
そして意識と無意識が戦えば、大体の場合は無意識が勝ちます。
だから、あんなに心に誓った目標や決め事が達成できないのです。
モチベーションを高めるという方法は、
高めるほどにますます無意識が反発を強めるので失敗しやすいのです。
ホメオスタシスとの付き合い方
世間にはホメオスタシスと戦うタイプの目標達成術が沢山あります。
根性で毎日机にかじりつけとか、日々のタスクを済ませるまで寝るなとか、
もしも食べてしまったら余剰カロリー分走れ・・などが代表です。
しかし、先ほど述べたようにホメオスタシス戦うと大体の場合負けてしまうのです。
だから、ホメオスタシスを味方に付ける必要があります。
それが「現状を目標達成した状態」だと強く、強く思いこむ事です。
本当に目標達成状態である事が日常だと思うと、様々な点で矛盾が生じます。
10kg痩せてスマートになりたいと思うのではなく、
自分はスマートであると思いこむと、
あれ・・・俺ってこんな太ってたっけ?痩せなきゃ!
と、なりますし、自分が格闘家のように筋肉隆々の状態だと思いこめば、
なんだこの貧弱な腕は?腹に肉が付き過ぎているし、鍛え直さなきゃ!
となるわけです。
そして、現状に戻そうと必死で無意識が働いて、様々な行動を促します。
ダイエットの雑誌が目に留まったり、ジムの広告に気付いたり。
ホメオスタシスが「元の状態」に戻そうと全力で働いてくれるのです。
この時の自分自身はやらされている感や無理を感じません。
だから本記事冒頭で述べたように、
目標として定めた事が既に自分の日常になっていると強く認識する事が重要なのです。
さらにいうのであれば、目標を立てるという事自体が大きな間違いです。
目標というのは、現状では無いという事であり、
ホメオスタシスの機能と自分の欲求がバッティングしてしまいます。
現状は日常とも言い換えられます。
日常を取り戻そうとする力と戦っては、目標達成などおぼつかないのです。
目標達成を既に済ませていると強く思い込み、
現状との差に違和感を感じて、元の状態に戻ろう!とする事。
これが目標達成の極意です。
是非意識して下さい。
これを意識すれば筋トレだけでなく、あらゆる「目標達成」の役にたち、
人生を変えることだって簡単に出来るのです。
コメント